ライレーン よもやま

LYRANE Home

□ 生い立ち

 そーですねー、LYRANE は GLODIA の前身の前身というか、エメラルド・ドラゴンによって会社として発足した初期の前、 企画・制作チームとして注目されはじめた言わば零期のテスタメント、サバッシュのさらに前、テレ○ットを飛び出した池亀氏が、

「とにかく、食って行かねばならぬ!!」

 普通、こういうときはバイトしながらこつこつゲームを・・・なんて遠まわりなどいたしません。 うんヶ月以内にゲームのサンプルを作ってソフトハウスに持ち込み、うんヶ月以内に完成させる契約を取りつけよう!!
この頃からすでに池亀氏には一本のゲームを作る上での、資金、コスト、スケジュールなどを考えながら、 しかもユーザがあっと驚くような売り要素を持つゲーム作りのマネージメント思考があったのです。
そして、我々は BPS の扉をたたいていたわけであります。

□ なぜに BPS

 BPSファンの皆様の中には、「次作を期待してたのに、なんでアクションなんか作ってたんだプンプン」 というHPのサイトを見かけたりするのですが、すびばせん、すびばせん、我々が持ちこんだからであります。
(だけど、本道の次作が何してたのかは、知りませんよ)

 もっとも、このご意見はまさに我々の意図していたところ、そうです、BPSにはアクションがなかったのです。 ここなら、我々のゲームに興味を示してくれるにちまいない。ファ○コムとかその他では、アクションなどあり余ってて、 追い返されるかもしれない。

 当時 BPS は東横線の妙連寺という駅にあったと思います。 お会いした社長(ヘンク氏)が外国人!!  だったのに衝撃を受けた覚えが懐かしいですね。 横浜にヘンク氏に連れて行ってもらい、おそらく「エイ○アン」を見に行ったのでは。 フロアのマップ情報をターミナルを通じて得るというのは、この映画のぱくりなのであります。

どーでもいいですが、ヘンク氏の車(ソアラ)に乗せてもらい、 アメリカ流の走り方(なのか?)で、普通の道をいきなり 100Km/h で加速して突っ走っている間、 私はシートベルトするのも失礼だし、腕組みした右手を左腕の下を通してドアをしっかりつかんでおりました。

□ プロトタイプ ライレーン

 まだ正式なデザインを起こしていない、ライレーンのサンプル。おおっと、ライレーンというタイトルも この時点ではありません。全然別のタイトル名をつけていました。(それについては、ちょっちあとで) この段階では、メインキャラクタとなる COR-80Z は、当初何の風情もない「矢印」だったのです。

 売りは、なんといっても 48方向スクロール。さてなぜに 48 かというと、これまでのゲームでは一度に一セル単位しか スクロールしないため、上下左右斜めにおける、3x3 のマス目の中心を除いた8方向スクロールしか考えられなかった わけですが、ライレーンでは、最大四セル単位まで縦横任意の比率で移動します。
移動する組み合わせとしては 9x9 の (81-1)通りありますが、(+1,+1) と (+2,+2) は同じ方向ですので、 これを消去していくと、全部で 48通りの移動方向が可能ということになるわけです。

 この複雑な移動を活かすためには、キャラクタ自身が 8方向しか向けないようでは話になりません。当時のアクションでは ほとんど想像を絶する(てゆか、デザイナーを発狂させる)16方向のキャラクタパターンが必要になりました。
今のように、画像ツールでうん十度回転クリック一発なんて機能はありません。サンプルで制作した矢印は、まず垂直方向で 作った画像を、まさに画像変換プログラムと呼ぶことのできる即席BASICプログラムでうん時間かけて 16方向に変形させたのです。
本ちゃんの COR-80Z も、同様のプログラムで一度変換したものを、再度デザイナがドット修正するという手法によって 完成いたしました。しかし、やがて作られるバーンウェルトなどの8方向のキャラクタは、 完全にドット打ちなのです。デザイナー恐るべし

 第一フロアのテクスチャは他のフロアに対してやけに記号的で、レイアウトも論理的というか恐ろしく普通で、 変わった地形や遊びなどがありません。第一フロアは、やはりサンプルとしてプログラマが制作したからなのです。 それも多分、私が・・・・・ (最終的にデザイナーさんに修正してもらいましたけどね)

六角形のタイルパターンは、これを作ったときは床のパターンとしてなんてまともなものができたんだ!! などと自己満してましたが、幾何学なパターンを作ってる時点で、プログラマのデザインの限界を、 いまさらながら痛感いたします。

 ま、画面はとにかく、48方向スクロールというのはヘンク社長に認めてもらえました。いわく

「このキャラクタ(つまり矢印)、マサカ、このままじゃ、ナイヨネ」

□ そしてなぜに ライレーン

 先に述べましたが、実はプロトタイプではタイトルは別なものだったのです。さすがは英語圏のヘンク氏は、 「タイトルがこのままでは、意味不明なので、変えてほしい」という要請で、指定された「LYRANE」になりました。 (もっとも、LYRANE が、どーいう意味orニュアンスになるのか、今でもわかりません)

 では、このゲームの最初のタイトルは何だったのでしょー!! もしも当初の名前のままであったなら、 このゲームのマニュアルは次のようなプロローグとなったでしょう。

ステーション「GLODIA」の構造は、・・・

 そうです、このゲームのタイトルすなわちステーションの命名こそが、グローディアという 名前の誕生だったのです。このゲームではグローディアという名称は使われなくなってしまいましたが、 ゲームデザインのチーム名として残り、やがて株式会社グローディアというブランドを産み出しました。

 そして、その「GLODIA」の意味とは・・・??

ひ・み・ちゅ

どかっばきっ!!